世界的な半導体不足の原因
近年新型コロナの感染拡大や上海のロックダウン、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって、世界的な半導体不足に陥っています。
特に、半導体生産に必要なレアガス(希ガス)やレアメタル(希少金属)など原材料の一部は、ロシアやウクライナへの依存度が高い為、長期化している世界的な半導体不足に拍車をかけています。
半導体不足の影響
膨大な計算を素早くできるロジック半導体やデータ保存に関連するメモリ半導体、光や温度などを検知するセンサー半導体、高い電圧や強い電流でも電子機器が壊れないようにするパワー半導体など様々な半導体があり、半導体のマイクロコンピューターはほぼ全ての電子機器に組み込まれおり、制御に関わる電子機器の頭脳の役割を果たしています。
世界的な半導体不足は、さまざまな製品の生産に影響を与えています。
スマートフォンやゲーム機、自動車の生産遅れを引き起こており、医療機器も例外ではない。
例えば、呼吸困難になった患者が濃縮した酸素を吸うための酸素濃縮器や人工呼吸器やパルスオキシメーター。
これらはコロナ患者に使用する為に導体不足の影響で高まる需要に供給が追い付かなくなり、医療機器供給不足が急激に加速。
各医療機器メーカーの供給が追い付かず、正に需要と供給のバランスが取れない事態となっています。
半導体不足はいつまで続く?
多くの半導体メーカーが需要の増加に応えるべく生産能力の増強に取り組んでおり、早いところでは2022年の夏頃から稼働開始できる見込みです。
半導体の供給量が順調に増えていけば、不足感は和らいでいくと考えられています。
しかし、これはあくまでも予測です。
また新型コロナウイルスの新たな変異株が猛威をふるったり、何らかの理由で半導体メーカーの生産能力増強が遅れたりすれば、深刻な状況には陥らないとしても、半導体はこれから慢性的に不足するという予測もあります。
医療機器メーカーの今後
政府は医療体制確保の為に、医療機関に対し数多くの補助金支援事業を展開しているが、医療機器メーカーの供給が追い付かない事態が引き起こされています。
人工呼吸器及び生体情報モニタの増産体制の構築を進めているが、もはや国内の医療機器メーカーだけで増産体制を拡充する事は到底難しいと言えます。
医療機器メーカーの全体の80%は中小企業です。
医療機器メーカーが業界の垣根を超えた事業提携を行い、生産体制を確保すべくアウトソーシングを積極的に行っていく必要が有るでしょう。