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お役たちコラム

【クリニック経営】医療経営における節税対策について

いったん開業医となって確定申告を一度でも経験すると、とたんに「節税」
は見逃せない重要事項なることは確実です。

「節税は税理士に任せているから大丈夫」と思い込んでいる院長は、クリニックの成長に必要な節税対策が不十分の可能性があります。
仮に、増患対策がうまくいき、診療収入が増加したとしても、節税対策なしに税金を支払っていては、 手元に残る利益は限られています。

「節税」という言葉だけを聞くと、なにか特殊な知識や方法が必要と思われがちですが、節税策の本質的にはたった2つです。
ご存知の通り、所得税の金額をはじきだす計算式は「課税所得×税率」。
すなわち、「課税所得を減らす」あるいは「税率を下げる」いずれかです。

1.課税所得を減らす

課税所得を減らす大きな要因となりうるのが、所得から差し引きできる必要経費。
増やせば増やすほど計算上は節税につながります。
本来経費にできるものを経費としていない、せっかく用意されている所得控除などの制度を利用していないなど、無駄な税金を支払うことのないよう、いま一度ご自身の申告内容を検証しましょう。

例えば、クリニックのコンサルタントや、医薬品メーカーの担当者などとの食事会。
この場合は仕事上の付き合いとみなされ経費として認められることがほとんどです。
ここでの可否のポイントは、「関連性と妥当性」。
つまりクリニックの業務に確かな関連があり、かつ一般常識に照らし合わせて妥当な金額であれば、堂々と経費計上して構わないのです。

その他、学会出席のための費用(交通費、宿泊費、食事代など、院長の奥様分までであれば、経費として計上可能です。(ただし子ども分は不可)
開業医の場合など、自宅でも仕事をする場合、そのパソコン購入費や事務用品費なども計上できますので、計上漏れのないよう注意しましょう。

2.税率を下げる

税率そのものを一気に下げてしまう方法があります。
クリニックの「医療法人化」です。

日本の所得税は、稼ぐほどに税率も上がる累進課税制度ですので、個人の所得に課税され、所得が高くなればなるほど税額が高くなります。
一方、法人税は所得額による税率の違いが原則としてありません。
そのため、規模が大きくなればなるほど法人設立が有利になります。

一概にも法人化が有利というわけでもなく、会計や事務処理が複雑になるなどのデメリットもあるため、節税のみを目当てに法人化することはお薦めしません。
また、法人は交際費の経費の全額計上ができないなど、税務の細かいデメリットや、無条件で社会保険と厚生年金などの加入義務もあります。


節税意識が過剰になり過ぎても開業医として健全な経営姿勢とは言えません。
ご自身に合った適切な節税策を、様々なメディアや先輩たちから知識を学ぶなどして探ってみてください。