開業後は、集患数の見通しが甘かったり、各種経費が予想以上に膨らんだりと、開業した直後は収支ともに目論みが外れがちです。
無事に開業が出来たとしても、ランニングコストにある程度の余裕がなければ、経営は途端に火の車になってしまいます。
そんな時に是非活用したいのが「助成金」です。
そもそも助成金とは
主に国や地方公共団体から給付される返済不要のお金です。融資ではないため、「受けとるだけで返す必要がない」というのが大きな特長です。
また、同じく国や地方公共団体が定めている補助金制度とは異なり、給付のための特別な審査がことが多いので、決められた要件さえ満たしていればどの申請者も原則として給付金を受け取れます。
それぞれに申請期間が設けられて、なおかつ年ごとに支給要件など制度が見直されるため、最新情報を逐一チェックしておくことが必要です。
助成金一例
特定求職者雇用開発助成金 | 母子家庭の母親や、障害のある方、60歳~65歳の高齢者などの就職困難者を、雇用保険の一般被保険者として雇い入れた場合に助成(ハローワーク等の紹介が必要) |
人材開発支援助成金 | 従業員に対して職業訓練などを実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成 |
トライアル雇用奨励金 | 安定的な就職が困難な求職者を、一定期間試行雇用した場合に助成(ハローワーク等の紹介が必要) |
キャリアアップ助成金 | 非正規雇用労働者に対し、キャリアアップ等を促進する取り組みを実施した事業主に対して助成 |
高齢者雇用安定助成金 | 高年齢者の雇用環境整備を実施する事業主や、高年齢の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換させた事業主に対して助成 |
難治性疾患患者雇用開発助成金 | 悪性関節リウマチなど厚生労働省で定めている難治性疾患克服研究事業の対象疾患に罹患している人を雇用した場合に助成 |
これらの制度を利用し、障害のある方を雇用する際には、助成金の制度の内容や受給要件を事前によく確認し、クリニックの受け入れ体制を、ハード面とソフト面の両方から整えておきましょう。
他のスタッフへの説明を十分に行い、スタッフが障害のある方を特別視することなく、皆同じ目線で仕事ができる雰囲気づくりを行うことなどが重要です。
これらはあくまでも助成金の一例です。
経営者として覚えてても損のないことなので、利用の際には必ず最新情報と確認してください。