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お役たちコラム

【クリニック経営】法人化のメリットデメリット

クリニックの法人化というと、一般的には、「かなりの節税が見込める上に、社会的信用も増す」というプラスイメージを持たれがちですが、実際のところはいいことばかりではありません。
ここでは法人化のメリットデメリットをご紹介します。

メリット

クリニック法人化
✔ 給与所得控除
医療法人になると所得が「給与」として支払われるため、給与所得控除(最大230万円)を受けることができます。
もっと多くの控除を狙うなら家族を医療法人の役員にして役員報酬を支払うこともできます。

✔ 法人税
所得税や住民税などの個人課税は法人課税に切り替わり最高税率が下がるため、大きな節税効果も見込めます。

✔ 退職金と生命保険
個人事業では認められていなかった退職金支払いが、院長(理事長)や家族に対して支給可能です。
退職金は通常の給与よりも税制面で優遇されるため、こちらも節税に繋がるのです。
また、その退職金も生命保険の途中解約を利用したすることで、この保険料のうち半額は医療法人の経費から払うことができるため、理事長個人は支払い額以上の退職金が得られることになります。
また、もちろん生命保険ですので、加入中に万が一のことが起きた場合にも保険金が支払われます。

✔ 事業拡大
医療法人となると、分院や介護事業所など複数の事業所を経営できるようになります。
また、お子さんにクリニックを承継する際も、医療法人であれば新たに開設許可を受ける必要がありません。

✔ その他お金関係
・自動車を医療法人名義にすることで経費計上が可能
・借金の名義を個人から医療法人に移すことでリスクを院長自身から医療法人へ
・資金調達の容易化(主体が医療法人、保証人は理事長で済むため)

デメリット

法人化デメリット
✔ 社会保険と厚生年金への加入義務
個人事業の場合、従業員が5人未満であれば社会保険と厚生年金への加入義務はありませんでしたが、医療法人になると従業員の人数にかかわらず、社会保険と厚生年金への加入が義務化されます。
未加入だったクリニックにとっては費用負担の増大は免れません。

✔ 複雑な運営管理
まずもって法人設立の手続き自体が煩雑な上、毎年の事業報告書や資産登記、理事会の議事録など書類作成の手間も飛躍的に増えます。

✔ 交際費の計上に上限
個人事業の場合、交際費は全額経費になりましたが、医療法人化すると交際費となる金額に上限が設けられ、そのうち10%は経費計上ができなくなります。

✔ 解散が困難
医療法人は地域医療の担い手であるという観点から、事業の永続性を求められているため、解散時は都道府県の認可が必要で、個人的な理由による解散は認められません。
そのため、理事長が引退を考える場合には、新しく理事長になっていただける方か、M&A先の検討が必要になる場合があります。
また、解散が出来たとしても、その際の残余財産は出資者に分配されません。(基金拠出型医療法人であれば持ち出した金額分だけは戻ってきます)

医療法人化については、自分の代だけでなく次の世代まで見通した上で検討をした方が良いでしょう。