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お役たちコラム

オンライン診療

オンライン診療は、2020年の診療報酬改定で要件が緩和される見通しです。
2018年の診療報酬改定でオンライン診療が認められていますが、その算定には下記のような厳しい条件があります。

オンライン診療料…月70点
オンライン医学管理料…月100点
在宅時医学総合管理料 オンライン在宅管理料…月100点
精神科在宅患者支援管理料 精神科オンライン在宅管理料…月100点

具体的には

  1. 緊急時に概ね30分以内に当該保険医療機関において診察可能な体制を求めていること
  2. 当該保険医療機関内において行うことを求めていること
  3. 対象疾患を限定していること(特定疾患療養管理料、小児科療養指導料などを算定している患者)
  4. 患者を限定していること(初診以外の患者で、かつ当該管理に係る初診から6月以上経過した患者)

と、診療報酬の算定には、とても高いハードルが設定されており、この2年間でオンライン診療がほとんど普及しておらず、その普及率はわずか1%です。

求められる規制緩和

アメリカでは病院にかかる手段のひとつとして、オンライン診療は確立されているのにも関わらず、日本ではどうして普及しないでしょうか?

その足枷となっているのは原因のひとつに規制の厳しさがあります。

例えば診療対象疾患
現在の保険診療でオンラインで診療が許可されている疾患は生活習慣病小児の重症な疾患のみです。

今後は、花粉症精神疾患皮膚疾患小児科領域の病気の一部など、病院での検査が無く、目視などである程度状態を確認できる病気であり、且つ、長期通院の必要な疾患へも適応拡大が期待されます。

また、現行のオンライン診療でも生活習慣病などの一部の疾患は許可されていますが、最初の半年間は通院しなければならず、そのあとも3ケ月に一度は病院に行かなければならないという条件があります。
これではオンライン診療のメリットの通院不安の減少を果たしているといえるでしょうか。

今後は、初診は対面診察を行い、その後は血液検査や尿検査などの検査がある時のみ来院などと、通院回数の大幅な減少が期待されます。

オンライン診療の最大のメリットは通院による患者負担が軽減することです。
通院をしなくとも診療を受けられるので、高齢者や足の不自由な人には大きなメリットです。
その他にも、仕事の忙しい人、近所に病院のない人などにも大変有効的だと考えられます。
オンライン診療によってこまめな診察を受けることが可能となり、認知症や生活習慣病などに対しても、重度化の予防が可能となってくるでしょう。

医師不足解消の為に

オンライン診療が普及すれば、過疎化した地方での医師不足解消の第一歩になるのは勿論の事、医師と医師をつなぐ事によって、特定の診療科の医師が少ない問題の解消につながるかもしれません。

訪問診療の際に、専門外の痛みや症状を訴える患者様に対して、スマホの動画撮影機能でインターネットの向こうにいる専門医に、患者様の動きをリアルタイムで伝える事が出来、更には指示を仰ぐこともできます。

インターネットやITは非常に便利なものであり、医療との相性も良いと考えられます。
しかし、普及するにはさらなる法律の整備が必要になります。
患者様の負担が減り、医師の手間を省くオンライン診療の拡充が望まれます。