日本は既に超高齢化社会となっており、医療や福祉などは増え続ける高齢者の問題に対応することが、緊急の課題となっています。
その中で在宅医療が進み、訪問診療の件数も増加の傾向にあります。
2017年度末には要介護(要支援)認定者数が640万人を超え(厚生労働省「介護保険事業状況報告」、2017年度)、在宅医療のニーズがますます高まっています。
在宅医療は地域医療において、今後さらに重要な位置付けとなっていくと考えられます。
在宅医療の中心を担う「訪問診療」や「往診」
それらにどういった違いがあるのでしょうか。
「訪問診療」と「往診」の違い
「訪問診療」 | 「訪問診療」 | |
目的 | 主に持病の治療を目的とし、患者さんの病状にかかわらず在宅での診療を計画的に行うこと | 患者さんの急変時など、普段と異なる特別な診療が必要な時に限定して行う在宅医療のこと |
診療 報酬 |
1日当たり888点 (ただし、同一建物住居者以外の場合。同一建物住居者の場合は1日当たり213点) 夜間や深夜、休日加算無し |
720点 夜間や深夜、休日加算有り ※往診を行う医師が属する医療機関の種類によっても点数は異なる |
働き方 | 大都市では介護施設が慢性的に深刻な不足状態 時間外労働や日当直は基本的に発生しなが夜間や休日を問わずオンコールを求められるなど厳しい労働環境 |
往診に専門的に従事する医師は少なく、往診に対応している医療機関に勤務しながら、必要に応じて往診する働き方が一般的 |
スキル | 患者様やご家族と密接に接する機会が多いため、双方とも高いコミュニケーション能力が求められます。また、自身の専門分野のみならず、幅広い医学的知識や経験が必要となります。日本プライマリ・ケア連合学会認定の家庭医療専門医、日本在宅医学会認定の在宅医療認定専門医といった資格を取っておくと評価が高くなります。 |
2020年度 診療報酬改定
2020年度からは、二次医療圏ごとに外来医師の偏在指標を導入し、上位33.3%を「外来医師多数区域」と規定します。
その「外来医師多数区域」で新規開業する場合、在宅医療や初期救急医療など地域に必要な医療機能を担う事を求める方針です。
特別区、政令指定都市など、都市部での新規開業を目指すのであれば、訪問診療の事もきちんと考えていかなければなりません。