[metaslider id="78"]
お役たちコラム

【クリニック内装】観葉植物について

来院された患者さんが少しでもリラックスできる空間を演出するためにクリニック内で色々と工夫をされていると思います。
座り心地の良いソファーであったり、ウォーターサーバーで冷たいお水を用意したり。
あるいは観葉植物や季節のお花を飾っているクリニックがあるかもしれません。
体調が優れずに気分も暗く訪れる患者さんには、緑が、クリニックの入口にあるだけでも良い運気を運んでくれる感じがします。

今回は医療機関の環境管理から考えるクリニックのお花や観葉植物について考えてみましょう。

観葉植物の効果

① リラックス効果(心理生理的効果)
② 目の疲れを癒す(視覚疲労緩和効果)
③ 快適な湿度調整(温熱環境調節・快適性向上効果)
④ 森林浴効果(健康物質フィトンチッド放出効果)
⑤ モチベーションアップ(知的生産性の向上)
⑥ ストレスの軽減

この効果だけを考えると観葉植物は来院される患者さんに癒しをもたらすことが期待できます。
クリニックの顔である玄関に配置することで、クリニックの外観を引き立ててもくれます。

管理が大変だからと造花や光触媒のフェイク植物を飾っているクリニックも見かけます。
造花でも見た目は綺麗ですが、その力は半減します。
さらに造花はほこりが溜まりやすく、きちんとお手入れしてないと逆に汚く見えてしまうこともあります。

感染管理から考えた観葉植物と生花

感染管理から観葉植物を考えると土壌からの細菌やカビ汚染の可能性を考慮することが必要です。
土壌の中に微生物や虫が生息し、感染源になることが考えられます。
生花(切り花)においては、「水がある」状態ですので、セラチア菌など湿度の好きな微生物が繁殖層を形成しやすくなります。
ただし、水を頻繁に交換しておけば感染のリスクにはなりません。(医療施設における環境感染管理のためのガイドライン(2003)より)
それでも免疫不全患者(担ガン患者や移植患者、エイズ患者など)の方には注意が必要です。

また、生花の中には「香り」の強いものがあります。
その香りが好きな方には嗅覚を楽しませてくれる素敵な空間になりますが、苦手な人もいらっしゃいます。
花粉症などアレルギーの方への考慮も必要です。

予防策

切り花や観葉植物を医院に取り入れるための5つの注意点です。
これらを植物を扱う予定であるスタッフ全員に共有しましょう。

①花や植物は患者に直接接しないスタッフが取り扱う。
②このような対応が困難ならば花を取り扱うスタッフは手袋を装着する。
③植物を扱った後は手を洗う。
④花瓶の水は隔日に交換して、水は患者身辺の環境から離れた流し台に捨てる。
⑤使用後の花瓶は洗浄する。

観葉植物や生花には癒しを提供してくれる効果もあります。
しかし一方で感染源として考慮しなければいけない部分も持ち合わされています。
医療機関で扱う場合は予防策を実践するように心がけましょう。