患者様への医学用語
病院では普段の生活では使わない言葉が多くあります。
患者様に病名や病状を伝えるとき、医療用語をそのまま使ってしまうと、きちんと伝わらないことも少なくないでしょう。
現在の医療では、病気や病状に合わせて患者自身で治療方法が選べる、「患者さん中心の治療」を行うのが主流です。
その中で医療用語を多く使い、上手く伝わらないと、きちんとした判断ができず患者様がきちんと判断が出来ないだけではなく、わかりづらい医者だと集客にも影響を及ぼしかねません。
わかりやすい説明を心がけることが重要です。
伝わらない理由
患者さんがその言葉をしらない
医学用語は看護師や医師等の医療者であれば毎日のように使う言葉ですが、一般の人はほとんど使わない、分かりにくい言葉です。
なんとなく意味は分かってもらえるかもしれませんが、できるだけ日常的な言葉に言い換えてあげましょう。
また、高齢者は横文字が苦手なひとが多く、伝わりにくことが多いので気を付けましょう。
患者の心理状態が不安定
病気と向き合わなければいけないとき、心理状態が不安定で負担に感じる患者さんも少なくありません。
そのような患者さんには心理状態に合わせて、負担がない言い回しで話してあげましょう。
例えば、「腫瘍がある」と言われると「腫瘍=癌」だと思い込み、後の説明が頭に入らない、ということがあります。
詳しい説明に入る前に、腫瘍には良性と悪性があることを理解させ、十分な時間を使って説明すると良いでしょう。
医師は患者様に説明した事を理解してもらう事が出来たかについて確かめる事が必要です。
患者様は自分からは、聞きづらいものです。
一気に説明をされたので、流れで頷いただけでよく分かっていなかった、なんてことはよく有ります。
説明した内容が、即理解された内容だと受け取る事は間違っています。
患者さんは理解できずに、かえって悩みを増やしてしまうことにもなりかねないのです。
「治ること」「わかること」
時間を短縮しつつ患者様の理解度を上げるためにタブレットとパンフレットを導入するクリニックが増えています。
タブレットは、事前に起こりやすい症状の解説図を入れておくことで、言葉だけではなく、視覚でわかりやすく説明することが可能となり、患者様の理解をより深めてくれます。
パンフレットは、患者様が自宅へ帰ったあとも自分で説明内容を確認することができ、さらに次回の診察時に同じ質問をする必要もなくなります。
「納得できる説明」をすることで、患者様に安心感を与えることができ、それは同時に大きな満足度へとつながるのです。